最終赤字4239億円!でも株価は急反発!?初心者向けに今何が起きているかプロが徹底解説!
こんにちは!投資ブロガーの視点から、今株式市場で最も熱い注目を集めている大ニュースを、どこよりも分かりやすく、かつ深掘りして解説します。
今回取り上げるのは、日本を代表する自動車メーカー「ホンダ(本田技研工業:7267)」です。
2026年5月14日、ホンダが発表した決算は日本中に衝撃を与えました。なんと、1957年の上場以来、初の「連結最終赤字」へと転落したのです。
ニュースの「超大型赤字」「株価暴落」という見出しだけを見て、「ホンダ大丈夫?!」「もう株は売った方がいいの?」と不安になっている株初心者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、プロの投資家たちの反応は全く違いました。決算発表の直後、ホンダの株価はむしろ一時8%以上も急騰(反発)したのです。
「大赤字なのに、なぜ株価が上がるの?」
「これからの配当金や株価はどうなる?」
そんな疑問を、実際の決算書(決算短信)の数字を噛み砕きながら、新NISAで長期投資や配当金生活を目指す方にも役立つ視点で徹底解説します!
1. そもそも何が起きた?ホンダの決算書を3分で解剖
まずは、発表されたばかりの2026年3月期(通期)連結決算の生データを、初心者向けに整理してみてみましょう。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期・今回) | 前期との比較 |
| 売上収益 | 21兆6887億円 | 21兆7966億円 | 0.5%のプラス(過去最高水準) |
| 営業損益 | 1兆2134億円の黒字 | 4143億円の赤字 | 赤字転落 |
| 最終損益 | 8358億円の黒字 | 4239億円の赤字 | 赤字転落(上場来初) |
注目してほしいのは、一番上の「売上収益」です。 実は、ホンダの車やバイクは世界中でめちゃくちゃ売れており、売上自体は前期より増えています。特に「世界一」のシェアを誇る二輪(バイク)事業は、販売台数を150万台以上も伸ばしており絶好調です。
それなのに、なぜ本業の儲けを示す営業利益や、最終的な純利益が「4000億円規模の大赤字」になってしまったのでしょうか?
2. 超大型赤字の犯人は「EV(電気自動車)戦略のブレーキ」
結論から言うと、この赤字は「ホンダの車が売れなくて潰れそう」という悲観的な赤字ではありません。
「将来に大きなツケを残さないために、今ある損失をすべて一括で処理した(膿を出し切った)前向きな赤字」なのです。
赤字の主犯は、「EV関連損失:1兆5778億円」の計上です。
一体どういうこと?
ホンダは数年前から「2040年までに新車を100%EV(または燃料電池車)にする」という非常に高い目標を掲げ、北米などを中心に巨額の投資をして新車種の開発を進めていました。
しかしここ1〜2年、世界、特に主力の米国市場で「思ったよりEVが売れない(需要の鈍化)」という現象が起きました。代わりに人気が爆発したのが、ガソリンと電気で走る「ハイブリッド車(HV)」です。
ここでホンダの三部敏宏社長は、経営者として極めて重い決断を下しました。
「売れないEVを無理に作り続けるのはやめよう。北米で予定していたEV3車種の開発を中止する!」
開発を中止するとなると、これまで使った開発費や、部品を供給してもらう予定だったサプライヤー(部品メーカー)への巨額の補償金が発生します。その総額が、約1.5兆円です。
普通なら数年に分けてコソコソ処理したくなるところですが、ホンダは「この1兆5000億円以上の損失を、2026年3月期の決算にドカンとすべて乗せて処理する」という選択をしました。
だからこそ、帳簿上の利益だけが真っ赤に染まったのです。三部社長は会見でこう語っています。
「将来に損失を残さないため、経営の意思として計上した。重く受け止めている」
3. なぜ「大赤字」なのに決算後に株価が急反発したのか?
株初心者の方からすると、「大赤字なら株価は暴落するはず」と思いますよね。確かに、3月にホンダが「今期は赤字に転落しそうだ」と下方修正の第一報を出した時は、市場にショックが走り株価は大きく売られました(暴落)。
しかし、5月14日の本決算発表で、株価は一転して一時8.7%も急騰しました。理由は、株式市場の格言にある「悪材料出尽くし」と「未来の劇的なV字回復予想」です。
理由①:来期(2027年3月期)のV字回復予想が凄まじかった
本決算と同時に発表された、来期(2027年3月期)の業績予想が投資家たちを驚かせました。
- 来期の売上高:23兆1500億円(6.2%増)
- 来期の最終利益:2600億円の「黒字転換」
実は、市場のアナリストたちは「ホンダは来期もEVのゴタゴタを引きずって、350億円前後の赤字が続くのでは?」と弱気に予想していました。しかし、ホンダが提示した数字はそれを大幅に覆す見事な黒字化計画。
「もう重い荷物(EVの損失)は全部、前期の赤字で捨て去った。ここからはドル箱のハイブリッド車(HV)と絶好調のバイクでガンガン稼ぐぞ!」という強い姿勢が見えたため、投資家は安心して買いに走ったのです。
4. インカムゲイン派は歓喜!気になる「配当金」の驚くべき結果
長期投資家、特に「将来は配当金生活を送りたい」「新NISAの成長投資枠で高配当株をコツコツ買っている」という方が一番恐れていたのは「減配(配当金を減らされること)」だったはずです。
大赤字を補うために配当がガクッと減らされたら、目も当てられません。しかし、ホンダはここでも圧倒的な「男気」を見せました。
- 2026年3月期(赤字の期)の配当:1株あたり「70円」を維持!
- 2027年3月期(来期予想)の配当:1株あたり「70円」を継続予定!
ホンダは、一時的な赤字によってブレないよう、「安定的かつ継続的な配当方針(DOE3.0%目安)」をしっかりと維持しました。
2026年5月中旬現在のホンダの株価は約1,430円前後です。
1株あたり年間70円の配当金が出るということは……配当利回りはなんと「約4.9%」!!
日本を代表する超巨大優良企業でありながら、銀行の利息とは比べものにならないほどの超高配当利回り銘柄になっています。
5. 数年後の未来予想:ホンダの株価は今後どうなる?
プロブロガーとして、数年後のホンダの未来を予測するなら、結論は「短期的には足固めのレンジ、中長期的には再び上昇トレンドへ」だと考えています。
ポジティブな要素(光)
- ハイブリッド車(HV)の圧倒的な強さ: 世界的なEVシフトの停滞により、ホンダが得意とする高利益率のHVが今後数年間、世界中で売れ続けると予想されます。
- 世界一の二輪事業が下支え: インドや新興国市場を中心に、ホンダのバイクは「生活の足」として無類の強さを誇っています。四輪が苦しい時も、二輪の利益が会社を支える構造です。
- 株主還元の姿勢: 今回の大赤字でも減配しなかったという事実は、投資家にとって「何があっても配当を守ってくれる企業」という絶大な安心感(ブランド)になりました。
リスク要素(影)
- 中国市場の苦戦: 中国現地メーカーの格安EVに押され、中国国内でのガソリン車・HVの販売が苦戦しています。ここをどう立て直すかが今後の大きな課題です。
- 為替(円高)リスク: 現在の業績は円安の恩恵も受けています。今後、想定為替レート(1ドル=145円)を超えて急激な円高が進むと、利益が目減りする可能性があります。
■ まとめ:株初心者はホンダ株をどう扱うべきか?
今回のホンダの決算は、株初心者にとって「ニュースの見出し(大赤字)に騙されず、決算書の中身(なぜ赤字なのか、未来はどうなのか)を見ることの大切さ」を学べる最高の教材でした。
今回の1.5兆円の損失計上は、いわば「未来のための損切り」です。
足元の膿をすべて出し切ったホンダは、来期からのV字回復に向けて非常に身軽になりました。
💡 初心者への投資アドバイス
- 配当金・長期投資狙いの方:利回り約4.9%という水準は非常に魅力的です。一気に資金を投入するのではなく、新NISAなどを活用して、「毎月数株ずつ(単元未満株)」や「毎月決まった日に積立購入」していく方法が最もリスクを抑えられます。
- 値上がり益(キャピタルゲイン)狙いの方:悪材料が出尽くしたとはいえ、中国市場の動向や為替の影響で、しばらくは株価が上下に大きく揺れる可能性があります。次の四半期決算で「本当にHVや二輪で順調に稼げているか」を確認してからエントリーしても遅くはありません。
日本のモノづくりのプライドをかけて、大きな方向転換を決断したホンダ。
ピンチをチャンスに変えるこのドラマを、ぜひ皆さんも株主として、あるいは一人のファンとして見守ってみてはいかがでしょうか?
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いいたします。
私:ホンダも水素エンジンのバイクを開発しているの?
はい、ホンダも水素エンジンを搭載したバイクの基礎研究・開発に取り組んでいます。
ただし、ホンダ単独での市販化に向けた具体的な発表ではなく、主に日本の主要バイクメーカーなどとの共同プロジェクトを通じて、将来の可能性を探っている段階です。
具体的な動きは以下の通りです。
1. バイクメーカー4社による共同研究(HySE)
2023年に、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの国内バイク大手4社は、小型モビリティ向けの水素エンジン技術研究組合「HySE(ハイス)」を設立しました。
この組合では、各社が役割を分担して水素エンジンの基礎研究を行っています。
- ホンダの役割: 水素エンジンのモデルベース開発の検討(シミュレーションなどによる設計)
このHySEプロジェクトの一環として、水素エンジンを搭載した4輪バギー「HySE-X1」がダカールラリー(厳しい環境でのレース)に参戦するなど、実証実験が行われています。このバギーのエンジンにはカワサキの技術がベースになっていますが、ホンダもこの研究で得られた知見を共有しています。
2. ホンダ単独での特許申請
過去には、ホンダがシート下に水素タンクを配置したバイクの特許を申請していたことが報じられたこともあります。これは、ホンダが独自にバイクへの水素エンジン搭載のレイアウトや技術を検討している証拠と言えます。
水素エンジンバイクの現状と課題
技術的には可能ですが、ガソリンバイクのように誰もが手軽に乗れるようになるまでには、いくつかの大きな課題があります。
- 水素タンクのスペース: 水素はエネルギー密度が低いため、航続距離を稼ぐには、ガソリンよりも大きなタンクが必要になります。スペースが限られるバイクでは、このタンクの配置が最大の課題です。
- インフラの整備: ガソリンスタンドのように、どこでも水素を補給できる「水素ステーション」が、バイクユーザーにとっても便利な場所に普及する必要があります。
- 燃焼特性の克服: 水素はガソリンと燃え方が異なるため、不安定な燃焼(バックファイアなど)を防ぐ技術が必要です。
まとめ
ホンダは「脱炭素」の選択肢の一つとして、電気(EV)だけでなく、水素エンジンのバイクも視野に入れて研究を続けています。
まずはカワサキが試作車を公道走行させるなど、業界全体として動きが活発になってきていますが、ホンダ製の水素エンジンバイクが市販されるのは、まだ数年以上先になる可能性が高いと考えられています。



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